ともに考え、育み合う
岡崎 登
「6年生を送る会」が行われた日は、雲一つない真っ青な空を背景に、真っ白に雪化粧をした弥彦山が凛とした姿を見せていました。心のこもった手作りのプレゼントと飾り、感謝の気持ちを込めた出しものが披露されました。5年生の劇は、ほのぼのとしてじ~んとくる温かみのあるものでした。対照的に、6年生の劇は、自分たちの思いを爆発させた刺激的で仲間を意識したものでした。子どもたちの目はステージに吸い込まれ、食い入るように見ていました。子どもたちの成長を感じたひとときでした。
子どもの成長に欠かせないものに感動がありますが、トラブルもあると思います。学校生活は集団生活ですので、本当にいろいろなトラブルがあります。たまたま同じ学校に入学し、席を隣にしたのですから、当たり前だと思います。一緒にじゃれ合っていたことがけんかになったり、遊んでいたことが仲間外れにつながったりすることがあります。だからといって、悪いことをしていいとか、いじわるをしていいとかではありません。しかし、私たちは警察や裁判官ではないので善悪で判断し裁くことではなく、善悪を教えることが大切だと思っています。むしろ、そうしたトラブルを一つ一つ階段を昇るようにのり越えるから成長するのだと考えています。
子どもは、「どうしてそんなことをしたのか、ちゃんと話をしてごらん」と言っても、すぐには応えられません。厳しい表情で叱られるので、怖くてなおさら応えることはできません。特に無知や無意識の行為は、自分の考えや感情・気持ちを整理して話すことはとても難しいことです。だから、その状況をよく聞き、察するしかないと思っています。低学年の時期は、いろいろなことに興味をもち、じっとしていられません。じっくりと話を聞き、自分のしたことを諭すように指導します。高学年の時期は、自分のしたことを見つめさせ自覚するように指導しています。しかし、子どもなので、また同じようなトラブルを起こしてしまうことがあります。そのたびに、話を聞き、保護者の方に連絡をさせてもらっています。職員にも遅くまで対応してもらっています。けれども、全部が全部このように対応できるわけではありません。もしかすると、見逃したり忘れたりしていることもあるかと思います。そんなときは、遠慮なさらずに担任に相談してください。対応に納得できない場合や不安を感じる場合は、私に声を掛け、一緒に考えさせていただけるとありがたいです。
新採用から36年が経ちました。私は、先生と呼ばれた日から、先生になったのではなく、子どもたちや保護者・地域の皆様から先生として、温かく見守り、声を掛けていただき育てていただいたおかげだと思っています。今でも、何人かのお子さんの悩みを保護者と一緒に考えています。学校で解決が困難な難しい問題は燕市教育委員会をはじめ、関係機関と連携させて、ご指導をいただいています。子どもたちの様子や私の思いや考えを載せさせていただいた学校便りを読み、たくさんの励ましの言葉をいただきました。吉田南小学校の教育活動にご理解とご協力をいただいたことに心から感謝申し上げます。ありがとうございました。